2021年のアイマス曲についてのあれこれ

2021年も終わりまして、今年もアイマスで曲が色々と出たなぁと思ったので、振り返りと個人的な感想等を雑に書き連ねます。

全体的な

まず全体の話として、昨年の「なんどでも笑おう」以降、ブランドの垣根を越えた曲や盤が色々出るようになりました。

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3月にはデレステ、ミリシタの相互コラボ関連を収録したCDが出ました。シンデレラ側はSTARLIGHT MASTER COLLABORATIONのシリーズとして、ミリオン側はStar Equinoxという単独盤でのリリースです。(Equinoxは星の赤道黄道の交点、つまり春秋分点を意味する言葉です)

 

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8月にはコンセプトムービーと共に5ブランド合同曲「VOY@GER」がリリース。なんどでも~と同様の各ブランド毎でのリリースで、後半のラップパート等があって各ソロ版の聴き比べが楽しい1曲です。(久川颯ソロ・リミックスは…いいぞ)

 

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10月には据え置きシリーズ新作のスタマスが発売、それに合わせたCDシリーズのリリースも始まりました。4ブランド合同という事で、コロムビアランティスの共同製作、始動盤である00は両社から、01はランティスから、02はコロムビアから、03はまたランティスから~と結構滅茶苦茶な事をやってます。

00収録、メインテーマ曲である「GR@TITUDE」は神前さんがM@STERPIECE以来久々にアイマスに参加という渾身の1曲です。

今作の新アイドルである心白と亜夜も「EVER RISING」に「1st Call」と両陣営が擁する強力ラインの新曲を歌っています。(前者はランティス側の松井さんに小高さん、後者はコロムビア側の只野さんに石濱さんです)

 

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5ブランド合同のアプリゲーム、ポプマスも始まり、7月にはテーマ曲「POPLINKS TUNE!!!!!」のCDが出ました。ミフメイさんによるキレのいい音が魅力の激アゲソングです。

この盤はコロムビアでもランティスでもなく、ASOBINOTESというバンナムが昨年新設したレーベルからのリリースだったりするのがまた面白いですね。(電音部等のバンナムIPのCDがちょこちょこと出てます)

 

765AS

単独の話というと昨年から続くMASTER ARTIST 4シリーズの後半戦がありました。「変わるもの、変わらないもの」というテーマに沿うように、美希の「アプデ」、あずささんの「VELVET QUIET」等の「こういうの欲しかった!」っていうのがぴたっと来てくれたって感想です。

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特に伊織の「ソナー」は今年出た曲の中でもトップクラスに好きな1曲です。令和の水瀬伊織が歌うのが所謂夜好性の方向性なのは本当に納得でしかないです。作詞曲編の岡田さんはいきなりこんなの出してきて何者なんだ…となってしまいます。

カバー曲の「あたしを彼女にしたいなら」も本当によくて伊織のMA4は盤単位で好きな1枚です。

 

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特典として出たTO D@NCE TOではシリーズ初参加、秀和さんによる「約束」、満を持してのイノタクさんの「MUSIC♪」、アダルト2000ことリンダさんの「おとなのはじまり」等このシリーズらしい攻めたリミックスが楽しかったです。

まだコロムビア通販に在庫あるみたいなので是非に……

MA4の完結後は前述したスタマスや後述するミリオンで色々出ているので、全体としては凄く充実してたなぁと思います。

 

ミリオン

ミリオンでは大きく4つありました。

まずはMILLION THE@TER WAVEシリーズが漸くに完結しました。コロナによる生産作業のストップや、楽曲の作り直しというハプニングがあり、

01~07 → 10~12 → 08~09

→ 13~14 → 16~18 → 15

というリリース順になりました。こうもぐっちゃぐちゃなのも今後含めてもそうそうないと思います。

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完結してからのこのシリーズの総評としては、ユニットの組分けや楽曲製作陣等の要素でノスタルジーとセンセーションの2つが寄り引いていくのが、さながら波のように感じられて楽しい2年間だったなぁと思います。そんなシリーズのトリを飾るのがそれまで名前という名前がなかった信号機ユニットに高田暁さんの曲というのもシンプルに素晴らしいです。

とりわけこのシリーズはミリオン楽曲の裾を広げていったシリーズだったなぁとも思います。今年のリリース分だと、バングラビートを用いたソリッド褒めり合いラップバトルソング、「ウェイ・ダ・アイドル」は衝撃ものでした。とにかく聴いて困惑して欲しいです。

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そして何と言っても、「パンとフィルム」ですね。色々調べてみても好評の声が本当に多いですし、私も大好きな1曲です。「金木犀だった」から始まる叙情的な詞と軽快なエレクトロサウンドが気持ちよくも切ない傑曲です。

A面の「ReTale」にMTSの「産声とクラブ」MS2の瑞希ソロ「ゆえに…なんです」とy0c1eこと佐高さんが作る曲はどれも好きなものばかりだったので、こうしてガッツリと参加するようになって嬉しいですね。

 

そして始まったMILLION THE@TER SEASON、これは恐らくとんでもないシリーズになりそうだなと思ってます。

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まずはミリシタ4周年曲「Harmony 4 You」からスタート。これまでの周年曲で外へ外へと拡がる世界を見せてきましたが、ここで立ち戻っての劇場演出をKOHサウンドで煌びやかに見せてくれる1曲です。

B面に収録されているのは52人のミリオン版団結といっていい「EVERYDAY STARS!!」フル尺で13人の個人パートを4トラックに分けて収録(AS、Pr、Fa、An)、個人パート以外の歌パートは共通(貴音、瑞希、ひなた、奈緒、可奈)という内容になっています。各人のパートが肝であるのは当然として、だからこそのサビメロのキャッチーさは宮崎まゆさんの強みが凄く出ているなぁと思い好きな所です。

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5年目のミリシタが打ち出すMTSシリーズ、その第1弾BRIGHT DIAMONDはとにかく手放しに傑作だと思うくらいに私に刺さりました。ザ・つよいEDM「DIAMOND JOKER」、全力おバカンスサマーソング「真夏のダイヤ☆」、アコギのバッキングが気持ちいい「シークレットジュエル」、夏のエッセンスが詰まったキラキラ王道ソング「ダイヤモンド・クラリティ」、そのどれもが本当に素晴らしいです。

LTFでやった1つのモチーフ(スート)から多角的に見ていくやり方に、LTDの地方巡業、MTG、MTWで開拓していったミリオンの楽曲性を深化させたような曲群、これらを52人の総力戦でやろうという、これまでの集大成みたいなシリーズです。以後のシーズンも期待しかないです。

 

それと並行して始まったM@STER SPARKLE2、4年振りのソロ曲シリーズで、今回はなんとASも加わっての52人52曲のシリーズとなります。

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シアター組も重ね重なり4曲目となりますが、これまでの3曲を経てこそだったり、違った面からのアプローチをかけたりしながら、ここでも先述したミリオンの楽曲性の深化が活きてきてて、新鮮な曲たちが出てくるなぁと思います。

志保の「Purple Sky」美奈子の「あたためますか?」、可憐の「勇気のfragrance」なんかは正に上で挙げた要素が出ているのもあって気に入っている曲たちです。

 

最後に1~3月頃にリリースされたLTPのリミックスシリーズです。コロムビア側がやっているTO D@NCE TOシリーズのようなリミックス曲集をミリオンでやろうというシリーズですが、これがまた曲者だったなぁと思います。

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TeddyLoidさんを中心として、Giga、Snail’s House、y0c1e、チバニャン、ケンモチヒデフミetcのクラブ、アニクラ系のバッキバキな面々によってLTPの全曲がリミックスされるという、その線が好きな層には堪らないシリーズです。私としてもアホ程聴き倒した最高のシリーズでした。

ではどこが曲者だったかというと、商売的な点です。

このシリーズはアソビストア等の通販での受注限定での販売だったんですが、一部の盤(03、04)に関して、詳細情報が出る前に受注を締め切ってしまうというのがありました。(その後再受注がありました)

それ以後も、最後の弾(05、06)で試聴動画が結局上がらず終いだったり、購入特典の収納ケースでTHE@TERをTH@TERと盛大に誤字ってたりと、何と言うか…大変なんだな…と思いました。

それでも概ね好評だったからか、現在第2弾としてLTHのリミックス集が受注中なので、よかったら是非といった所です。

 

その他で鉄拳と化したミリ女にソフランの効いたスポ食と細かな展開もちょこちょことあったりとしたミリオンでした。

 

シンデレラ

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10周年を迎えたシンデレラ、記念曲「EVERLASTING」は秀和さん、滝澤さん、睦月さんといったシンデレラにおいての象徴的な作家3人が共作でありったけの混沌と華やかさと煌めきと、記憶の鍵を詰め込んだ渾身の1曲です。森さんによるシンデレラを直球に出した歌詞もまた沁みます。

 

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それに合わせてベストアルバムも出ました。全体曲系の厳選盤、デレステ曲まとめが2枚組×2つ、しんげき曲まとめが1つという構成で、入門版としてはいいものだと思います。上のEVERLASTINGやしんげきえくすて曲といった直近の曲も収録されているのもポイントです。

この作品の花形の1つであるソロ曲の一切を排除したのは潔いですね。(それをしたらまぁキリがないんでそうなんですが…)

 

そんなソロ曲ですが、昨年に続いてのしんげき発のものやU149発のものにCMの通常リリースと各所から様々に出ました。

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ちとせの「Beat of the Night」はまさかの作詞曲に麻枝准というコロムビアが時々やるどうしてそういう方向に思い切りがいいんだシリーズです。流石に文脈がバッチリとハマっていた1曲です。(死なないでおくれな……)

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「14平米にスーベニア」は14歳の上京ソングを思いっ切り凪ナイズしたゆるさと中毒性を持った1曲です。八城さんは本当に「アイドルの最初の曲」に対しての込め方が上手いなぁと改めて思わされました。

 

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しんげきも’17年の1期から通すと丸4年、「Life is HaRMONY」は歌詞にこれまでの曲のワードが散りばめられた莉、Sing the Prologue♪と合わせたサビ進行にする事で季節が回ってまた始まる事の表現としていたりと、色んな要素が詰め込まれた集大成たる1曲です。つかさの力強い歌い出しから始まるのもいいですね。

ここからは完全に個人的な解釈になりますが、HaRMONYのaだけ小文字なのは、@の代わりなのかなぁと考えています。(H@RMONY→HaRMONYとなった感じ)

ミニアニメらしいちっちゃな@曲なんです。

 

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デレステ曲は今年も色々出ました。CDでは5周年以後のシリーズSM GOLD RUSH!でソロ版、カバー曲、更にはソロ2曲目の再開と色々収録して出てました。乙倉ちゃんの「ずるじゃん」もよしのんの「日々あどべんちゃーなのでしてー」も非常に破壊力が高い曲なので聴いて欲しいですね。(配信リリースがないのでCDを買うのが唯一になりますが…)

「Home Sweet Home」はフル尺9分で繰り広げられる圧巻のホラーミュージカル楽曲、それに加えて5人それぞれの視点からのゲーム尺2分のソロ版が1枚に収録(SM GOLD RUSH 11)。デレステの2DリッチMV等の各要素を総合的に見る事によって世界の解像度が上がっていくという今までにない企画です。(あのまゆは一体何者なんだ…)

この曲に加えて「EVIL LIVE」「Hungry Bambi」「堕ちる果実」etcと今年のデレステ新曲はなーんか全体的に黒くありませんでした…?いくら「パ・リ・ラ」がいるからって浄化しきれないよ……?

 

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3月にはSM COLLABORATION!として「Great Journey」が1年越しにリリースされました。Cygamesのサウンドチームに移ったラブメガネ先生こと内田さんが久し振りに書き下ろした曲で、超ハイスピードでめまぐるしく展開される変態進行に、東大路さんの弦編によるキレのいいストリングスが合わさり、滅茶苦茶に聴いていて気持ちいい1曲です。ニュージェネ3人の貫禄の安定感もポイントです。

同時収録されたプリコネカバー曲、愛梨の「Lost Princess」はあのオケに負けない歌唱力が流石ですし、久川姉妹の「Connecting Happy!!」は最高の多幸感です。可愛い。

 

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個人的によく聴いた音源として、4月に出た24magicの円盤特典のライブCDがあります。シンデレラバンドによるアレンジ、演奏によってトロピカル・リゾートチックになった曲たちが本当にいいんですよ…(ちとはーメッセージとか最高……)

なんとまだCD付きの在庫がコロムビア通販にあるみたいなので是非にといった所です。(DJパートとかアイドルキッチンとかあるし…いいぞ…)

 

SideM

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前半は昨年から続くNEW STAGE EPISODEシリーズの後半戦がリリース。その最終弾、F-LAGSの「Hope's Journey」は昨年に九十九先生の声が比留間さんに代わってから初の新曲となります。それまでにユニコレ、ソロコレで歌声自体は聴けましたが、一般発売という意味でも初です。ゴニバのWaving FLAGSといい、そのタイミングでしか、だからこその言葉を打ち出してくる結城アイラさんの作詞は本当に効きますね……

 

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7月にはSTA@RTING LINEシリーズのベスト盤がリリース。15ユニット30曲をインスト付き全収録で税抜き3150円という価格破壊盤です。F-LAGSの2曲については比留間さんによる新録です。

 

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10月にはアプリ新作のサイスタがサービスイン(あと2日!じゃないんだよ)。新ユニットC.FIRSTが登場しました。生徒会長ユニットという事で、場を統べるような軍歌的EDMサウンドは爆ノリ必至です。流石のアルテの本多さん河合さんのつよつよコンビです。作詞がKanata Okajima(岡嶋かな多)さんというドデカい新風なのも今までのSideMにない衝撃です。

サイスタ新曲もこのクラファに続いてFRAME、カフェパレ、レジェと月1で出て来る(収録するCDシリーズGROWING SIGN@LにはB面曲まである)という、この”再スタート”は相当なものなんだとこちらもワクワクされっぱなしです。

 

シャニマス

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まずは1~3月でソロ曲シリーズCOLORFUL FE@THERSがリリース。Stella(星)、Luna(月)、Sol(陽)の3つのチームに分かれての収録ですが、星のような光の強さや景色の広大さ、月が照らす夜の静寂さ、熱を帯びた陽に晒された舞台の雰囲気、といったエレメント的な要素が個々人のソロ曲にも辺々に感じられるのは面白いなぁと思いました。

変拍子でも奔放さを、宇宙のような好奇心を描いたあさひの「星をめざして」、ケルティックな音の広がりに優しい世界が展開される霧子の「雪・月・風・花」、どこか気だるさを感じるローファイさに芯の強い言葉が乗った雛菜の「あおぞらサイダー」なんかは上で書いた事が強く感じられるのもあって凄く好きです。

(それはそれとしてジャケットの雛菜の肩幅はもうちょいあってもいいのよ……)

 

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4月からはL@YERED WINGシリーズが開始。「PRISISM」「Timeless Shooting Star」等好きな曲は色々ありますが、個人的には「クライマックスアイランド」の評価がアホみたいに高いです。

この曲は、「全部が楽しい」「どこからでも楽しい」な遊園地や、何巡も同じ曲をかけて「どのタイミングでも聴き入れる」パレードの行進曲のようなエッセンスがきっちりと出ているのが魅力だと感じています。

これまでの放クラ曲と比べるとズドンとくるキャッチーさはなく、スルメ度が高い曲だと思いますが、この「ずっと楽しい」がヘビロテからのスルメになっているのかなと思います。(その中で要所要所にアクセントが色々仕掛けられているのもまた大事です。)

なので、ライブ・イベント会場に近づいた時にこの曲がかかってると、すっと違和感なくその空気感に入り込めそうな感じがします。

頭出しでなく、途中のどこから聴き始めてもいいなと思えるのはかなりの評価点だと思います。

 

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7色目のユニット・シーズはこれまた今までいなかったデュオユニット。にちかや美琴さんの設定の攻め方もさることながら、打ち出して来る曲も今までになかったK-POPライクの方向です。Trap調の音に乗せる「OH MY GOD」はライブでの演出を含めて唸らされた1曲です。

 

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そんなシーズと一緒に出て来た敵対的存在のアイドル・斑鳩ルカは先日のクリスマスイベントに”終演アナウンス後”に突如登壇。「神様は死んだ、って」を披露し即日配信リリースというとんでもないぶっこみをしてくれました。

シーズの2曲に「Color Days」といったK-POPサウンドの側と「神様は死んだ、って」のようなボカロ曲的な反骨ロックという異なる2つの方向性での楽曲的時代観のアップデートを図ってくる、しかも既存ユニットの楽曲性の調和・バランスを崩さない様に挿し込んでくるってのはシャニマスが上手くやってるなぁと思わされる所です。

 

おわりに

ここまで各ブランドの楽曲リリースについて、ざっとまとめながら感想述べながらで書いてきました。今年は個人的に好きでアホ程聴き倒したような曲がかなりあって楽しい1年だったなぁってのを改めて思いました。

かなりかいつまみながらでこれなので、全曲単位で解説や語りをするってのは…無理だなと……

来年もこんな感じで楽しくやっていきたいなという所で締めにします。